株式会社北彩屋

[事業名]海峡サーモン®の販路開拓による令和3年8月むつ市豪雨災害からの復活事業
[補助金の主な使途]展示会出展旅費・展示会出展料・カタログ製作費

 

青森の特産品「海峡サーモン」を余すところなく全国へ

 

「海峡サーモン」を使い切る新商品で目指す新たな販路の開拓

 津軽海峡の厳しい環境で育てられた「海峡サーモン」は、青森県を代表する特産品として知られている。冷たい海水と強い潮流により育てられる「海峡サーモン」は、引き締まった身と濃厚な旨味が特徴的で、全国的にも注目度が高く、多くの料理人に一目置かれる存在だ。その稚魚を育成する養魚場が、令和3年8月の豪雨災害により被災した。数年間の水揚げ量の減少が見込まれる中、平成27年より「海峡サーモン」の加工、販売に取り組んできた( 株) 北彩屋では、「海峡サーモン」一本当たりの付加価値向上が急務となった。たっぷりの海峡サーモンのほぐし身とうまみが凝縮された出汁が人気の「だし入り茶漬け」シリーズや、本来であれば廃棄する皮を活用した「皮チップス」は、コロナ禍での巣ごもり需要やインターネット販売の増加に対応した商品としても好評である。また、従前品よりも大きな切り身を使用し、骨や鱗を丁寧に取り除き味付けした「プレミアム切り身」は、新しく開発に取り組んだものだ。これらの商品を中心に新たな販路の開拓を目指し、展示会への出展に向けて取組を開始した。

 

営業だけではもったいない!展示会出展のすゝめ

 「展示会は課題を見つける場でもあります。」と奥崎加工場長。「常温帯の商品は缶詰だけでしたが、展示会での出会いがきっかけとなり「だし入り茶漬け」シリーズが開発されました。そのほか、「プレミアム切り身」についても、展示会で実際にいただいた『高付加価値の商品として訴求力を高められるよう、既存の商品をブラッシュアップをしてはどうか。』といった声を反映したものです。」と、バイヤーをはじめ、他の出展企業との繋がりを大切にしている。また、新たな販路を開拓するために何をつくったらいいか、ターゲットはどこに絞るのか、価格設定をどうするか、迷うことも多かったというが、「親身になって聞いてもらえる。」と、下北ブランド研究所や21あおもり産業総合支援センターの販路開拓アドバイザーと定期的に連絡を取り合い、課題の解決に向けて取り組んだ。新商品を含むこれらの商品は展示会出展後から徐々に浸透し、今では大手雑貨店や高級食料品店においても取扱いが始まっている。

 

 

継続は力なりを実現

 「種をまかなければ芽が出ることはない。」と考える一方、奥崎加工場長は「消費者に受け入れられるかどうかわからない新商品に対して、1事業者がかけられるコストには制限があります。補助金を活用することにより、その負担を少しでも減らすことができ、積極的に販路開拓に取り組むことができました。」と語る。展示会に初めて出展したものの、具体的な商談に繋がらない、営業の方法がわからない、などと一度きりで出展を取りやめてしまう企業も少なくない。「5年継続してきてようやく成果が出始めてきました。展示会は勉強の場。他社がどのような商品を扱っているかということはもちろん、飾り付けなどもチェックします。継続して出展しつづけることが大切。」と話し、展示会へ出展するきっかけとしても補助金の活用意義はあるという。

 

変化を受け入れながら進化し続ける

 (株)北彩屋は、世の中の移り変わりを見極めながら、商品の展開や売り出し方を随時アップデートしてきた。パッケージに黒を使ったこともその1つ。それまでは食品に黒を使うことは珍しいことだったというが、黒字にゴールドの「海峡サーモン」の文字が高級感を演出し、今ではすっかり定着している。また、かつては遠く離れた家族やお世話になった方への贈り物として、丸ごと1本の「海峡サーモン」を送る方がほとんどだったが、現在は簡単に調理することができる切り身や加工品が中心となるなど、ニーズの変化も感じている。最近の展示会では、ペットにまつわる商品が多くみられるようになり、そこをヒントにした新商品の開発も進めているという。「これからも固定概念に囚われることなく、自分たちを信じて、よそにはないものを生み出していきたい。」と、将来の展望を語る。

 


加工場長 奥崎 大輔さん

コロナ禍により展示会への来場者数は3分の1程度に止まったというが、これまで積み重ねてきた経験を活かし、質の高い商談を実現することができたという。これまでもいくつもの苦難に見舞われながら、青森県の特産品としてブランドを確立してきた「海峡サーモン」。「まずは鮮魚の水揚げ量を元通り以上に。」と豪雨からの復活を着々と進めていきたい考えだ。


支援者からのコメント

奥崎加工場長をはじめ、(株) 北彩屋の積極的な営業活動や丁寧な対応が顧客との信頼関係の構築につながり、成果に結びついているものと思います。限りある資源を最大限に活用しながら「捨てない会社」を目指してください。

 

  1. 企業プロフィール

    1. ■企業名/株式会社北彩屋
    2. ■所在地/むつ市大畑町上野152-2
    3. ■TEL・FAX/0175-31-1868・0175-34-3158
    4. ■代表者名/代表取締役 能戸 みか子
    5. 資本金/400万円
    6. 設 立/平成27年4月
    7. 事業内容/水産物の加工販売主に海峡サーモンの加工販売
    8. 活⽤補助事業/令和3年度新事業展開等促進補助事業(販路開拓コース)
    9. ■ホームページ/https://www.kaikyou.com/
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