リンゴ(もっと詳しく見る)

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リンゴ
機能性成分
ペクチン(リンゴペクチン)

 

 ペクチンは果実、野菜、穀類等の植物細胞壁に含まれる複合多糖類。D-ガラクツロン酸がa-1,4結合したポリガラクツロン酸が主成分で、カルボキシル基の一部がメチルエステル化されており、その割合が異なる。 
 食物繊維の一種として栄養成分の吸収阻害作用を持つが、反対にペクチンがポリフェノール、特にケルセチンの体内吸収性を増加させる作用を青森県立保健大学で見出している。この作用は、両者を同時に摂取することで得ることができ、動物だけでなくヒトにおいても確認している。
 ペクチンは、食品化学の分野ではゲル化剤、増粘安定剤などとして利用が普及している。工業的には柑橘系の皮やリンゴ残渣から製造され、それぞれシトラスペクチン、アップルペクチンと呼ばれているが、市場ではシトラス系が主流である。

ペクチンオリゴ糖

 

 オリゴガラクツロン酸とも呼ばれる。構成糖はガラクツロン酸、a-1,4結合で直鎖に結合している。微生物に選択的に静菌作用あるいは増殖効果を示す。動物実験では、高血圧の抑制と血中コレステロールを低下させることが明らかとなっている。
 リンゴペクチン由来のオリゴ糖は活性酸素抑制作用をもち、その効果は低重合度においてより高いと言われている。
 食物繊維は、一般に溶解度の低さなどの物性上の性質から加工適性に劣り、非常に摂取しにくい食品成分の一種であるが、オリゴ糖にすることにより加工適性を向上させ、利用範囲を拡大することで、高血圧抑制などの機能性を付加した食品の開発に寄与できる。

セラミド(リンゴセラミド)

 

 セラミドは細胞表層に存在し、表皮の角質層を形成する細胞間脂質の50%近くを占めている。水分の蒸発を防ぐ効果があり、保湿柔軟性を維持し、細胞同士をつないで整列させる働きがあるとされる。
 工業的には、小麦、コメ、コンニャクなど植物からの抽出物が開発されている。
 農産物及び加工副産物のセラミド含量は、リンゴ残渣に最も多く含まれ、その含有量は乾燥したリンゴ残渣の0.094%である。また、リンゴ残渣の場合セラミドの夾雑物であるステロイド配糖体の含有量が少なく、精製が容易である。
 近年、セラミドは、シグナル伝達物質として作用し、分化、増殖、プログラム細胞死、アポトーシスを制御することなどが報告されている。
 青森県の地域資源を活用したリンゴセラミドは、従来の米ぬか、小麦胚芽由来のセラミドと比較して含有量が多いことから、コスト面で優位性があり、加えてイメージやブランド力も優れていることから、新しい素材として市場での地位獲得が可能である。

ポリフェノール(リンゴポリフェノール)・プロシアニジン(プロアントシアニジン)・ケルセチン・フロレチン

 

 リンゴポリフェノールは抗酸化作用を有するので体内の抗酸化酵素 (SOD等) やビタミン類の消耗を防ぐ。
 抗アレルギー作用、高脂肪食で飼育したラットの内臓脂肪低下作用が日本農芸化学会(2004年)で発表されている。
 プロシアニジンは、カテキンがいくつか結合した構造を持ち、結合度合いの違いでプロアントシアニジンなどと呼ばれるものもあるが、成分は同じ。
 ケルセチンは、黄色い色素で抗アレルギー作用があると言われている。

カリウム

 カリウムはヒトにとって必須のミネラルの一種で、体内に約170 g、主に細胞内に分布している。浸透圧や酸塩基平衡の維持、細胞膜電位の変化や活動電位に関与している。
 ナトリウムとカリウムの排泄は連動しているので、ナトリウムを多く摂取するときはカリウムも多く摂取する必要がある。
 カリウムは熱による調理で失われやすく、特に煮た場合の損失は約30%にもなる。リンゴ100gのなかにはカリウムが110mg入っており、リンゴの平均重量は約300gであるため、1個で約330mg摂取することができる。さらに生で食べられるため効率的にカリウムを摂取できる。

利活用、応用の方法、用途など

 

 ペクチンは増粘安定剤としてジャムやゼリーなどに頻繁に用いられているが、機能性素材としての高度利用が可能である。植物由来のセラミドは、主に食品素材として、美容、健康食品に利用されているほか、化粧品としても利用されている。

 弘前大学が確立したリンゴ搾汁残渣からのペクチンオリゴ糖簡易製造法は、低濃度の塩酸を加えてオートクレープ処理することにより、低分子化したペクチンオリゴ糖を得るもので、以下の効用が期待される。
・人畜無害なバイオ農薬としての可能性
・エリシター活性に基づく植物への抵抗性増強剤
・ビフィズス菌や乳酸菌に対する増殖効果
・皮膚常在菌の中のニキビ菌や水虫菌に対する抗菌剤として
・皮膚保護作用に基づく化粧品への活用

研究機関

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